お墓の法律なら「墓地埋葬法」を押さえる!
葬儀や埋葬などを含め、お墓に関する様々なルールは、墓地埋葬法という法律によって規定されています。これは1948年に作られた法律で、埋葬方法や納骨堂など、一般的にお墓の管理についての法律が定められています。個人及び団体が葬儀や埋葬を行う際には、この法律で定められているルールを守らなければいけません。
例えば、火葬や埋葬は死亡してから24時間以上経過しなければ実施することはできません。これは、胎児の死産にも適用されます。ただし、妊娠6か月よりも早い段階の死産及び新型コロナウィルスの感染による死亡に関しては、対象外となります。
また、どこに埋葬すればよいかという場所についても、墓地埋葬法が定めています。この法律によると、許認可を受けた墓地でなければいけないという規定があります。そのため、自宅の庭や認可を受けていない場所へ埋葬すると、違法行為となってしまうので注意しましょう。
埋葬する施設には、公営の霊園をはじめ、民営の霊園や寺院墓地など、複数の形態があります。霊園や墓地の中には、宗派や入檀条件などが決められている施設もあります。墓地埋没法ではそれぞれの形態ごとに規定が定められているだけでなく、使用する側に対しても、使用する目的や施設運営に必要な資格、そして費用や使用取り消しに関するルールが細かく決まっています。この法律に従わない場合には、墓地や霊園の使用を否認されたり、返還を求められたりすることもあります。霊園や墓地に関する許認可に関しては、都道府県知事もしくは市町村長が許可を出しており、施設によって埋葬許可証や火葬許可証、改葬許可証など、区別されています。火葬場や納骨堂、墓地の管理者はここから許可を取って開業し、施設を変更したり廃業する際にも、都道府県知事からの許可が必要となります。
この墓地埋葬法は、2011年に改正が行われました。改正によって、火葬場や墓地の施設の営業や管理に関する許可は、都道府県知事から市町村長へと権限が移行しました。その結果、各市町村ごとに墓地埋葬法条例などを定めることが可能となり、より実用的なルールが定められています。市町村が定める条例は、法律と比較して、改正しやすいというメリットがあります。
無縁墓に関しても、法律がルールを制定している
墓地埋葬法では、無縁墓の改葬及びお墓の撤去に関するルールも定めています。改葬とは、焼骨や埋葬した遺体を納骨堂へ移す作業を指しますが、これに関しては事前に役所へ許可申請をし、死者の縁故者からの異論がないことを確認しなければいけません。立札の設置や、官報の写しなど、必要な書類もそろえなければいけません。そのため、約1年程度の期間がかかります。
無縁墓は、近年の少子化に伴って急増しています。家族がお墓を維持する場合、管理費が定期的に発生します。それに、お墓参りなども必要となるでしょう。少子高齢化やお墓の縁故者がすぐそばで生活していないなど、お墓を管理維持できる人が少なくなってきました。お墓の管理維持の滞りなどの問題もあります。そうした背景もあり、無縁墓を改葬して納骨堂へ移す手続きが増えています。
お墓の改葬では、一般的にはかかる費用は縁故者が負担します。しかし、縁故者がいない無縁墓の場合には、市町村の自治体が費用を負担することになります。もしこれからお墓の購入を検討している人は、数十年後のことも頭の中でシミュレーションしたうえで、お墓を購入するのがベストなのかを考えましょう。もしもお墓の管理や供養の面で不安がある人は、そうした作業が必要なく、無縁墓になる心配がない、永代供養という方法もあります。
葬儀やお墓を作る際、基本的に法律違反を犯すようなことはないと思いますが、頭の片隅に入れておくと良いと言えるでしょう。