樹木葬と永代供養の違いを解説

樹木葬と永代供養 コラム

一度は聞いたことがある「永代供養」。そしてあまり名前は聞いたことがない人も多いと思われる「樹木葬」。これらの違いを理解している人は多くないかもしれません。また、通常の形態のお墓とは何が違うのかを説明できる人もほとんどないと思われます。
今回の記事では、そのような永代供養と樹木葬の違いについて詳しく解説していきます。

まずは永代供養について解説

永代供養とは、お寺に永代、つまり年限を定めずに供養を依頼するということです。お墓は通常、何世代にもわたって子孫が管理をする必要がありますが、永代供養では管理をお寺に一任できることになります。ただし、この場合はお寺が遺骨の管理をし続けるということに他ならない訳ですから、例えばお盆の間は自宅に置いておきたいといった個人的な要望は通らないかもしれません。
永代供養には、金銭的な負担が次の世代まで付きまとうといったデメリットがあります。お墓の管理をお寺にお願いするのですから、仕方ないと言えば仕方がないのですが、コロナ禍のような経済危機が起きる可能性が否定できない不確実性のある現状においては、リスクマネジメントという面では考える必要があるかもしれません。

なお、管理を依頼する際のリスクだけでなく、お寺が途中で途絶えた場合にもどうなってしまうのかといった問題も挙げられます。とは言え、お寺や霊園が途中で何らかの事情で供養を続けることが難しいといった場合、つながりのあるお寺や霊園の宗教法人が引き継ぐことが道義的責任として行われることがほとんどでしょうから、そこまで心配する必要はないでしょう。この場合には、故人が当初望んでいた供養が継続されるとは限らないことを考慮する必要があります。これは生前に、お寺が堅実な運営を続けていけるのか、よく検討しなければなりません。

一方、樹木葬についてはどんなもの?

遺骨の管理を任せるという点で、樹木葬は永代供養よりもさらに一歩進んだ選択であると言えます。樹木葬の場合には、どこかしらの木の下に遺骨を埋めるという供養の方法である訳ですから、その木をお寺や霊園が管理しているとは言っても、どれが自分のご先祖様のお墓なのかわからないといったことにもなりかねません。こうした問題が樹木葬の一番の懸念事項として挙げられるでしょう。
ですが、完全に跡継ぎがいないといったケースでは、とても良い供養の方法であるかもしれません。完全に跡継ぎがいないということは将来にわたってお墓を管理してくれる人がいない訳ですから、重大な問題であると言えます。樹木葬の場合にはこのような問題を考える必要がなくなるという点で、故人にとっても、その親族にとっても、安心できる供養の方法と言えます。

また、樹木葬は昨今話題になっている国連SDGsに通ずるものがあります。樹木の下に埋葬するので、お線香をお供えすることもお花を手向けることもありません。自然の風や雨を直に受ける訳です。ご先祖様にとっては少し寂しい気もしなくもないですが、これからの持続可能な自然環境を目指すSDGs的な観点からは、最も良い選択であると言えます。さらに、樹木葬の場合には特定の家や人物の名前が刻まれることはないので、後世に渡って様々な人々に手を合わせて供養してもらえるのも特徴です。

永代供養と樹木葬のどちらも一概にこれが良いとは言うのは難しいと思います。ですが、永代供養と樹木葬のどちらの方法もお寺や霊園が責任を持って管理をしてくれるという点では、故人やその親族にとっても安心できる供養の方法と言えましょう。ただし、次の世代にわたって金銭的な負担がかかり続けるといった問題を考慮しなければなりません。個々の家の状況に応じて、検討する必要があると言えます。

タイトルとURLをコピーしました