お墓参りに行った際に、足元が砂利で歩きにくいと感じたことはないでしょうか。また、よく見てみると墓地の道以外、お墓の下にも様々な砂利が敷いてあるのに気が付くでしょうか。本記事では、この砂利の意味や、本当に砂利を敷くことはお墓にとって良いことなのかについて解説します。
お墓に砂利を敷く理由とデメリット
コロナ禍と言うこともあり、なかなかお墓参りに行く頻度も少なくなってきてはいないでしょうか。お墓はご先祖様や、友人を供養する大事な場所です。そんな大事なお墓ですが、雨が降った直後の状態を見たことがあるでしょうか。雨が降った後は、土がぬかるみ、歩きづらく、靴も土で汚れやすくなってしまいます。
こういった問題を砂利を敷くことで解決できるのです。砂利を敷く事で、雨対策、ぬかるみを軽減できるだけでなく、見た目も美しく保つことができると言われています。お墓の景観を美しくするためにも砂利は大切なものなのですね。
良いことばかりありそうな砂利ですが、実は良くないことも多くあるのです。砂利を敷くことにより、ホウキを使っての掃き掃除が出来なくなってしまいます。一見美しく保たれているお墓回りですが、落ち葉やお菓子の袋などのゴミなどを一斉に掃きたいときにはかえって砂利が邪魔をしてしまうのです。
その他にも、砂利を敷きたての時は良くても、時間が経つにつれて、砂利そのものに苔が生えて汚れてしまう場合があります。日当たり次第ではあっという間に苔だらけ…なんて場合も。そうなると、砂利の交換という面倒なメンテナンスが必要になります。雨上がりのお墓参りの際など、足元の砂利が土に半分ほど埋まっているのを見つけた場合には、スコップなどで砂利を掬い、ザルに入れて洗って、そこから敷き直さなければいけません。この作業には時間がかかりますし、そもそもの砂利の量が多い為かなり面倒な作業であると言えます。
除草の効果も多少あり
砂利を敷くことによる除草効果ですが、砂利だけでは不完全です。さらに、除草効果を得るためには、防草シートを使うのも良いでしょう。防草シートは、ホームセンターやネット通販でも簡単に手にはいります。しかし、防草シートを貼っただけでは見栄えが良くないので、見栄えを良くする意味で、その上に砂利を敷くのをお勧めします。また、その除草シートすらもたくましい雑草が突き破って生えてくる場合もあります。そのときは、セメントを流し込み、土台を埋める、というやり方もあります。こちらは効果的ではあるのですが、お墓の中で眠るご先祖さまが息ができなくなる、という心配を持つ方も多く、現実的ではないのが実情です。砂利だけで除草効果を得ようとしても、雑草の生命力は強いので、結局お墓参りに行くたびに草むしりをしなくてはならない状況にはなってしまいます。
砂利の種類について解説
お墓に敷く砂利にも様々な種類があります。砂利の種類でお墓自体に与える印象もかなり変わってきます。お墓の理想の景観や、場所、用途によって砂利の種類を使い分けるのも良いでしょう。
まず、「砕石」です。こちらは、もともとは大きかった天然岩石を細かく砕いてちょうど良いサイズにしたもので、石の形は角が角ばっています。お墓を落ち着いた印象にしたい場合におすすめです。
そして、次にご紹介するのが「玉砂利」です。こちらは、丸い形が特徴で、色も天然石の色で美しく、少し高級な印象を与えたいときに用いられる砂利です。玉砂利の中でも種類が何種類かあります。白玉砂利や黒玉砂利という色がしっかりある砂利や、五色玉砂利と呼ばれる先ほどの2色より鮮やかな緑や赤などの砂利をミックスさせた砂利もあります。「砂利」は、前の2つより、細かくてシャリシャリとした手触りの使いやすい砂利です。お墓の景観を良くするためには大変効果的で長く親しまれている砂利ですが、先述の通りお手入れは大変であり、そこまでの除草効果がないこともあります。お墓に砂利を敷く際には、砂利の特徴を良く調べ、自分のお墓にあった砂利を選び、敷き方にも工夫をするようにしましょう。