お墓参りに持参する花にはマナーとタブーが存在する
お墓参りに足を運ぶ際には、ぜひ供花を持参したいものです。お墓参りは日本の冠婚葬祭の一つに当たり、細かいマナーやタブーが存在しています。お墓参りの花にも、いくつかのマナーがあります。良かれと思って持参した花がタブーに触れるような花では、自身が恥をかいてしまうかもしれません。では、お墓参りの花はどのように選べば良いのでしょうか?
1つ目のマナーは、花の本数です。3本とか5本、7本といった奇数が良しとされています。しかし、多すぎると花立に入りませんし、ぎゅうぎゅうに詰め込むと茎の部分を圧迫し、花が傷みやすくなります。本数の目安としては、5本か7本ぐらいがちょうどよいとされています。
2つ目のマナーは、花の色です。お葬式などでは明るい色や華やかな雰囲気のものはすべてNGのため、お墓参りの際にも華やかな色の花はマナー違反では?と考える人は少なくありません。しかし、お墓に供える花に関しては、華やかで明るい色がおすすめです。単色ではなく、複数の色を混ぜて明るい雰囲気に仕上げると良いでしょう。たとえば、供花として人気の色は、白と黄色、そして紫の3カラーです。そこに赤を加えて4カラー、あるいは、さらにピンクを入れて5色にするのが一般的です。
ただし、納骨式など、亡くなってから日が浅い時期には、あまり華やかな色は選ばないのがマナーです。その場合には、白と紫をメインに、落ち着いた色の花を選びましょう。
また、花の種類は基本的になんでもOKです。失敗しない花を選ぶなら、菊が良いでしょう。四季を問わずに手に入りやすく、日持ちも良いので、購入しやすいお花です。その他には、「別れの悲しみ」という花言葉を持つキンセンカ、母の日などで親しまれているカーネーション、暑さに強いので夏の供花に適したグラジオラスなども、よく用いられています。花言葉で選ぶなら、「変わらない心」という意味を持つスターチスも良いでしょう。
複数でお墓参りをする場合には、自分の供える花は、目上の人が購入した花よりも高額にならないように注意したいものです。目上の人にしてみれば、目下の人が自身より高価な花を持参したら、気分が良いものではありません。複数でお墓参りに行く際には、高価に見える供花は避けたほうが無難かもしれません。
虫などがついたり傷んだりしない造花も近年人気があるので選択肢に入れても良いでしょう。墓地の宗派によっては造花がNGとなっている所がありますが、そうでない所や宗教色が強くない霊園では、墓石周りを長期間にわたって明るく見せてくれる造花を取り入れるという方法もあります。しかし、造花は手抜きだと思われてしまうリスクがあります。そうしたリスク回避の方法としては、普段は造花でも、お正月やお盆の時期には生花を供えるなど、メリハリをつけるのがおすすめです。
こんなルールも知っておきたい、備え方のマナー
お墓参りに花を持参する際には、花の選び方だけでなく、供え方に関しても正しく理解しておきたいものです。お墓に花を供える際には、左右の花立に左右対称となるように供えましょう。左右対称の方が見栄えが良いですし、極楽浄土の概念という点においても左右対称がおすすめです。
花を購入する際には、左右対称に供えることを前提として、上記の花束を2セット購入するのが安心です。自身で花の種類や色を選んで購入するなら、左右それぞれが奇数になることを前提として、購入する花の数は偶数本となります。これは、冠婚葬祭のマナーとしては問題ありません。しかし、もしも気になるなら奇数本のセットを2つ作ってもらうのが良いでしょう。