樹木葬を自宅で行うことは可能?ケースによっては違法な場合もあるので要注意

自宅で樹木葬はNG コラム

墓石の代わりに、樹木などを墓標として故人を供養するのが樹木葬。最近増えてきている葬儀の形ですが、自宅で樹木葬を行い、庭にある樹木を用いてお墓を建てても良いのだろうか…?そう思う方もいることでしょう。もしもこの方法が問題なければ、故人は思い出の地にお墓が建てられ、遺族は毎日お墓参りができるなど、いいこと尽くしのように感じます。しかし、残念ながら、現在の日本において、自宅で樹木葬を行うことは認められていません。その理由を解説していきます。

樹木葬を自宅で行うことができない理由

日本には、「墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)」が存在しています。この法律の第4条第1項において、「遺体や焼骨の埋蔵、埋葬を墓地以外で行ってはならない」とはっきり定められています。違反した場合、1万円から2万円の罰金が課せられます。もしくは、拘留または科料の刑に処せられる場合もあります。
行政から許可を得られた場合であれば、自宅の庭でも埋葬することができますが、許可が下りることは滅多にありません。樹木葬に限らず、どの埋葬方法であっても、基本的に墓地以外で行うことはできないのです。

違法にならないケース

墓地以外の場所で樹木葬を行うことはできませんが、自宅で行っても違法にならないケースがあります。

自宅で墓地を運営している場合

あまり当てはまる人はいないかもしれませんが、自宅で墓地を運営している場合、運営している墓地の区画内であれば、樹木葬を行っても問題ありません。ただし、墓地の運営をしていても、庭先での埋葬まで許可が下りていることはほとんどありません。庭で埋葬できるよう行政に申請するか、墓地の区画内にて行うようにしましょう。

ペットのお墓である場合

墓地埋葬法によって定められているのは、人の遺骨についてのみです。したがって、ペットの遺体を庭に埋めて供養をし、お墓を建てても法律違反にはなりません。

焼骨を埋葬せず保管しているだけの場合

庭に焼骨を埋葬してお墓を建てると違法ですが、遺骨を保管するだけであれば違法にはなりません。手元供養といって、遺骨や遺灰の一部、または全てを、専用の入れ物に入れて保管したり、アクセサリーなどに加工したりする供養方法があります。自宅墓とも呼ばれています。
また、遺骨を埋葬しないのであれば、庭にお墓を建てても問題ないとされています。墓地埋葬法において、墓地以外の場所で行うのを禁止されていることは、遺体や遺骨の埋葬です。お墓を建ててはならないとは定められていませんので、一緒に住んでいる家族の了承を得られれば、遺骨の埋葬は抜きにして、庭の樹木をお墓とすることは可能です。

散骨をする場合

非常にグレーゾーンな行為ではありますが、埋葬ではなく散骨であれば、庭先でも行える場合があります。国が推奨しているわけではありませんが、法律によって禁止と定められてもいないため、現状としては黙認されているという状態です。ただし、自治体が条例において独自に散骨を禁止している場合があるので、事前に条例を確認する必要があります。
散骨をする際は、遺骨を粉末状にしなければ違法となります。落ち葉や土を上にかぶせてもいけません。加えて、近隣住民が散骨によって不快な思いをした場合、損害賠償を求められる可能性があります。自宅で散骨をしても違法とは言えませんが、注意しなければ違法になる可能性が非常に高いので、実際に行う人は少ないかもしれませんが覚えておく必要があるでしょう。

まとめ

自宅で樹木葬を行うことはできませんが、遺骨を埋めないのであれば、庭にお墓を建てても問題ありません。近隣住民や家族とのトラブルにならないよう配慮し、手元供養などの方法を検討してみても良いかもしれません。

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